君の全部になりたい【完】



爽が執事になって早1週間。



今日は飼育委員として初めての仕事。

だからいつもより1時間早めの朝ごはん。



「ん、これすごく美味しい!」



「お口に合って良かったです。」




爽が取り寄せてくれたらしい、国産いちごをふんだんに使ったジャムが口の中に広がる。




執事の仕事はお嬢様が好きな物の手配、コックへの指示や、メイドへの指示、とにかくお嬢様が心地よく生活できるように全てを把握すること。




1週間でわかったのは、爽はその能力に長けているということ。




秀夫さんとは比べ物にならないくらい経験値が違うはずなのに、秀夫さんの時と変わらない心地のいい暮らしが出来ている。



まあきっと秀夫さんの引き継ぎの力もあるし、…元幼馴染ってことも関係してるんだろうけど。