君の全部になりたい【完】



帰りは基本的に毎日校門のロータリーに、運転手が迎えにきてくれることになっている。


終わる時間は同じなのに、ほとんど全生徒にお迎えがあるからロータリーは毎日大渋滞。



爽が教室まで迎えにきてくれてロータリーまで、歩いているときに今日あったことを話す。




「爽、私飼育委員になったんだ!」


3年前とは違ってうんと身長が高くなった爽を一生懸命見上げながら話す。


「美桜様は昔から、動物がお好きですね。」


それに気づいて話しやすいように、少し屈んで返事をしてくれる爽はスマートそのもの。



「…ねえ、爽?」




「いかがなさいましたか。」



その話し方とかさ、やっぱり寂しいよ。




「どうして2人きりの時も敬語なの?3年前みたいにタメ口で話してよ。」