「っ、へ、」




「もう頭がおかしくなりそうなくらい、愛してる。」



真剣なその瞳。揺れることなく、私だけを映す。


どうしようもなく胸が疼く。



「さ、爽…何言って、…爽だって分かってるでしょ?規定があって、」



好き、なんて言っちゃいけないよっ。


悲しくなるだけだよ?



「それが、改訂されたんだ」


改訂…?


爽がぐしゃぐしゃに握っていた、日本使用人協会の資料を私に渡す。



『改訂14:


雇い主と使用人の家系図が繋がることがあっても、本人以外の親族は仕え続けることが出来る。


なお、入籍前の交際段階では、使用人本人も解除対象には該当しない。』