君の全部になりたい【完】




「私たちの家、あそこらへんかな?」



でもよく考えるとこんな狭い密室に2人になることなんてなくて、どうしたら分からなくなって、爽を見ることが出来ずに自分の家を観覧車から探す始末。



「学校は見えるな。」


小さく奥の方に見える学校。



「…うん。」



終わりに近づくにつれて、心が重たくなってくる。


もう幼馴染は、好きな人は、終わりにしないとね。


「美桜?」


私の異変に気づいて不思議そうな爽。



「爽、今日は楽しかったよ。ありがとう。」



「おう、俺も楽しかった。」


汚れのない眩しいか笑顔が向けられる。



爽はそのままでいて、



「爽は、別の人と幸せになってね…」


涙も気持ちも溢れてしまわないように、体全体に力を入れた。



「…なにそれ。美桜は?誰と幸せになんの?」



向かいに座る爽が視線が刺さる。

…表情は見れない。