結局、あれよあれよと言う間にことは進んで、担任の許可をとって、爽は正式に私のペアとして出ることになった。
爽は自分のクラスの出番も卒なく完璧にこなし、私とは一度音合わせをしてリハーサル一度しただけ。
私はイブニングドレスを着て、ヘアメイクもしてもらった。
舞台袖で、出番を待つ中、隣に立つ爽を見上げる。
いつも燕尾服に、いつもとは違って、ジェルでセットされてオールバックになってる髪型。
いつもセットされてないサラサラの黒髪なのに。
爽やかというより、男前って言葉が似合うよな、凛々しいスタイルにドキッとする。
「爽、なんかいつもと違うね。」
「髪型ですかね?」
『ヘアメイクしてもらいました』と照れくさそうにいう。
「…に、似合ってるっ!」
思わず出てしまった言葉に、私が顔を真っ赤にすると、
「ふっ、ありがとう。」
頭をポンポンって優しく撫でて来る。
はぁ、これから一緒に踊るのに、心臓がもたないっ。



