「私が新堂様の代役務めさせて頂きます。」
爽の言葉に唖然とする私。
いや、いくらなんでも…
「爽さん、さすがっ!」
クラスメイトたちからの拍手喝采。
「振り付け、分かるの?」
特訓してたけど、主に私のステップを見てもらってただけだし、自分のダンスもあるのに。
「ええ、あんなの三回見れば覚えます。」
にやって勝ち誇ったように笑う爽に、
「かっこいい…」
と令嬢たちがメロメロになる。
「でも爽っ、」
本当に無理しないでほしい、と止めようとする私に、そっと近づいて、
「俺、あいつなんかより踊り、上手いから、心配すんな」
「っ、」
私の耳元でみんなに聞こえないように、そう呟いた。



