先生との残り僅かな時間を、大切に大事に過ごした。
いつも通り勉強を教えてもらい、ついでに雑談をする。
一緒に過ごすたびに、新しい先生の素顔を知ることができる。
でも、もうそれは終わりに近づいていた。

告白をするかどうか、ずっと迷っていた。
このまま「ありがとうございました」と伝えて笑顔で、さよならするのも1つだ。
だけど…








あっという間に終業式の日になった。
予想通り、桜の花は満開だ。
時々、花びらがふわふわと舞っている。








桃には終業式のあとに先生に会うことは伝えてある。
告白するか迷っていることを話したら、桃も難しい顔をしていた。
思い切って告白しても、先生と生徒以上の関係は見込めないことは、桃もなんとなく理解しているのかな、とも思った。
桃からは、「芽玖が決めたことなら、告白してもしなくても応援するよ」と言ってくれた。


告白をするか当日の今日になっても、まだ迷っている。