いつもの放課後、桃と寄り道をする。
新しくできた駅前のカフェだ。
カフェは落ち着いた雰囲気で、話が弾む。




「あのね…桃に聞いてもらいたいことがあるの」

私は、先生にバレンタインチョコを渡すかどうか悩んでいることを桃に話すことにした。
桃に一通りのことを話す。
何やら楽しそうだ。

「いいじゃん〜春野先生にチョコ渡しちゃいなよ〜!なんならチョコ一緒に買いに行こうか?」

桃の決断力が羨ましい。

「だけどさ、急にチョコあげたりして迷惑じゃないかな?だって先生たくさんチョコ貰うはずだよ…」
思わず不安を口にしてしまった。

「まぁ、うちの学校、チョコ渡すの禁止とかないから、女子はみんな先生に渡すかもね…でもさ、たくさん貰ってたとしても違う人から貰ってるんだから嬉しいはずだよ!」

うーん、確かに桃が言っていることも一理あるのかもしれない、と思う。
「だから、渡してみたら?チョコ!」

数秒考え込んでから
「よしっ!あげてみる!」
バレンタインチョコをあげることに決めた。


「バレンタインかぁ〜!さっきチョコ一緒に買いに行こうとか言っちゃったけど、もしかして手作りとかも考えてた?そしたら手伝うよ!あたしも自分の分作りたいし!」

手作りのチョコも考えたけど…

「うーん、普段のお礼のチョコにしては、手作りは重い気がするから、お店で買おうと思ってるんだ。だからチョコ買うとき、桃にも付いてきてほしいの」

「行く行く!すっごい美味しそうなの買っちゃおー!」


バレンタインの準備が少し楽しみ。