そんなこんなで、2泊3日の修学旅行1日目は終わってしまい、修学旅行本番ともいえる2日目になった。
2日目は遊園地を周る日だ。

嬉しいことに、春野先生が遊園地の引率らしいけど、基本的に自由行動だから先生と話すタイミングが難しい。
それに先生に出会っても、生徒に囲まれている可能性が高い。

先生と今以上に仲良くなることを半分諦めていた私は、桃と遊園地を楽しむことにした。

活動的な桃は絶叫系が好きで、ジェットコースターを全制覇したいみたい。
私も桃に付いて行き、第一弾のジェットコースターに乗ろうとしたときだった。

見慣れたシルエットだと思ったら、春野先生がジェットコースター乗り場の近くを一人で歩いているのを発見した。

桃は、すかさず先生に声をかける。
「先生ー!よかったら一緒にジェットコースター乗りましょうー!」


「生徒の様子を見回るように言われてるのに、ジェットコースターなんて乗ってたら怒られないかな…」
先生は困った様子。

「先生、お仕事も大切だけど、せっかく来たのにもったいないですよ〜」
ジェットコースターを勧める桃。



ほんの少し悩んだ様子を見せた先生は
「確かに」
と言って、いたずらをする子どものような笑顔で私の後ろに並ぶ。