恋の行く末、ガラス越しに水の底から見守って…


※※※


 キーンコーーン……カーンコーーン……


 サクトとリョウカが、我に返ったようにお互いから離れた。


 照れ笑いしながらお互いを見つめる。


「行かなくちゃ……」

「そうですね」

「でもウーパールーパーの餌はこれで足りるの?」


 待って、待って! そんなはずないでしょ!?


「僕が放課後に残りをあげておきます」


 まあ、今日は特別だ。お腹は空いているけれど、放課後までなら我慢してあげてもいいかな。


「放課後……」


 リョウカが外を見た。


 午前中は晴れていたのに、雲が出てきている。


「雨になったら、私もラクロス部じゃなくてこっちに来るね」

「雨になってほしいです」


 サクトはピンセットを水槽から出すと、リョウカと共に生物室を後にした。


「もうすぐ梅雨入りだね」


 廊下から、リョウカの弾む声が聞こえてきた──



 おしまい