リョウカが焦るのも仕方ないと思う。
サクトが突如こんな大胆な行動に出るだなんて、私ですら想像だにしなかった。
私にまぶたがあったなら、目を閉じてあげられるんだけど、残念ながらガン見するしかない。
「先輩、『温もりがある哺乳類でアレルギー症状が出ない子がいいな』って言ってましたよね?」
「ペット! それペットの話ね!」
リョウカもとうとうピンセットから手を離した。
それはいいんだけど、えっ……私の水槽に放っておくの?
私は頭上のピンセットに目をやった。
すぐ回収してくれるのかな……
そんなことよりも、まだひとつしか餌をもらってないんだけど?
けれど、サクトもリョウカも、私のことなんて気にかけてくれそうもない。
この世界にお互いしか存在していないかのような雰囲気だ。



