「い、岩藤くんって体温高いんだね」
「恒温動物ですから」
「そ、そうだね。哺乳類だもんね」
熱帯魚たちもびっくりなほど、リョウカの目は泳いでいる。
「で、でも岩藤くんて平熱低そうに見えるんだけど、意外と……」
「僕、平熱高いほうなんです。僕、温もりになりませんか?」
「えっ、ぬ、ぬく……」
サクトが身を屈めて、自分の頬をリョウカの頬に寄せた。
「アレルギー反応は出ませんか?」
「出ない、出ませんっ!」
「よかった」
これまでリョウカの突拍子もない言動に、サクトがドキドキさせられている様を目の当たりにしてきた。
けれど、今現在はまったく立場が逆転している。
開き直ってしまったのかサクトはどこか落ち着いていて、リョウカのほうがオタオタしている。



