恋の行く末、ガラス越しに水の底から見守って…


 サクトはというと赤い顔どころじゃない。頭から立ち昇る蒸気が見えるようだ。


 返事なんてできる余裕はゼロだ。


「岩藤くんの手、意外とあったかいんだね……」

「ぐ、ゴホッ!」


 慌てたせいで、唾が気管支に入ってしまったらしい。


 サクト、落ち着け! 深呼吸だ!


「コホッコホンッ……ゆ、ゆっくり水槽に餌を沈めましょうか」

「はーい、岩藤先輩よろしくお願いしまーす!」


 2人は水面が揺れないほどそうっとピンセットを水の中に浸けた。


 やれやれ、やっと来た。これで食事にありつける。


 私は思いっきり餌を吸い込んだ。