サクトが生唾を飲み込んだ。
きゃー! サクトの緊張が私にまで伝わってくる……
「……そ、れで……飼いたいと思う生き物はいましたか?」
キーンコーーン……カーンコーーン……
聞こえてきたのはリョウカの返事ではなく、予鈴だった。
「あっ、もう教室に戻らなきゃ。うーん……今日だけだと、まだ決められないかなー。ね、もう1回来てもいい?」
リョウカはレミではなく、サクトに尋ねた。
思いがけない回答に、サクトは目を見開いてコクコクと頷いた。
「ありがとう! それじゃ、またねー」
リョウカはにこやかにサクトに手を振って、生物室を出ていった。
それにレミも続く。
「岩藤くん、突然だったのにありがとねー」



