恋の行く末、ガラス越しに水の底から見守って…


 サクトはどじょうに続いてゴンズイの水槽へと移動した。


 リョウカに全神経を集中させながら、餌を与えた。


「ゴンズイはナマズの仲間なんだよ」

「へー。ちょっととぼけた顔してるね」


 リョウカは、フレーク状の餌にパクつくゴンズイを横から覗き込んで、正直な感想を述べた。


 そのせいでゴンズイは少し傷ついた顔をした。


 サクトが次にミドリガメの前に進むと、リョウカが目を輝かせた。


「ほら、あの子が我が生物部のアイドル、ミドリガメ」


 はああ? ち、ちょっと今何て言った? 


 聞き捨てならないわ。生物部のアイドルって言ったら私でしょ?


 サクト、あんたが訂正しなさいよ!


 サクトをじいっと見つめて念を送ったけれど、隣に気を取られているサクトは全く気付いてくれなかった。