「___わ、私…死ぬんですか?」
「…はぁ?」
私の率直な問いに少し間を開けて、彼の素っ頓狂な声が返ってくる。
「お、お迎えが来たのかと思って…」
私は自分の発言に補足をつけるように続けてそう言った。彼は驚いたようにぴくりと肩を揺らすと、
「…ぶふっ」
突然吹き出し、バタバタと足で空を蹴りながら腹を抱え、笑い始めた。
「あはっ!俺を死神だと思ってるの…!?」
ひーひー、と肩を上げて笑う彼に、私は弁明するように声を上げた。
「え…は、はい。で、でも足はちゃんとあるから…幽霊では無いと思うし」
私が転んだ時に彼が差し出した手もしっかり握ることが出来たし、と思いながら、そう私は言葉を返す。それを聞くと、彼は笑いすぎで流れた涙を拭いながら、私に向かってこう言い放った。
「あー、ちゃんと考えて言ったのか。それにしても馬鹿だな〜!」
「ば、馬鹿!?それが初対面の人に言う言葉ですか…!?」
まさに売り言葉に買い言葉。私は文句を言うために、ふよふよと余裕そうに浮いている彼に近づく。その行動を見て、彼は余裕そうにニヤリと微笑む。
___すると、ぐいっと腕を引かれる感覚がした。