余計なことに首を突っ込まない方がいいといったのは誰だったか。

昔から''猪突猛進''、''考えるより先に行動’してしまう私にそういつも忠告してくれたのはたしかあの人が今の私を見たらどう思うのだろ

''な、だからいったろ?''

そう言われた気がした。

「なーちゃん、どうしたの?」

背後から心配そうに私の顔を覗き込む彼を見て、ぼーっとした頭が一気に覚める。

ミルクティー色の癖っ毛の髪と澄んだ琥珀色のタレ目。色気と穏やかさを掛け合わせたような眩いほどの美青年。

色気だけなら近寄り難くとも穏やかな雰囲気をまとわせているため親しみやすく大層、モテそうだ。

でも、そこのお嬢さん、騙されちゃぁいけません!この男、巷で噂の暴走族の1人なんで!しかもそこそこ上の幹部なんかやっちゃってる人だから!

こんな温和な見た目して危険だよ!危険なんですよ、この男。

しかも、そんな男を偶然助けて気に入られ、執着されるなんて誰が思うのだろうか。

拝啓
あの人
私は厄介な人に捕まってしまったかもしれません。