あの日ふたりは夢を描いた

「……なんの話?」

「何度も言わせないで。僕はきみを知っているんだ」

「……知ってるって、なにを?」

「また書き始めてよ、小説」

心臓がドクンと音を立てる。どこかに置いてきた記憶を思い起こされたから。

「……あなたは、いつから私を知ってるの?」

「きみがみんなの前で夢を語ったあの日からさ」

すごくすごく遠い記憶のように感じる。

落ちこぼれてしまった私は、いつからか優秀だった昔のことを記憶から消そうとしていた。