あの日ふたりは夢を描いた

「……真柄くん、ありがとう」

もし私が変われているなら、真柄くんの存在も少なからず影響していると思う。

声には出さなかったがそんなことを心でふと思った。

「あっ、バイト中なのにこんなに話してごめん」

「ううん全然。ゆっくりしていってね」

真柄くんは一通り店内を見て回り、漫画のコーナーでしばらく立ち止まっていた。

結局その中で気に入った二冊をお買い上げしてくれた。

「いつも買ってくれてありがとうね」

「いいえ、また来るな」

真柄くんはそれだけ言って店内をあとにした。