あの日ふたりは夢を描いた

「……随分と変わり者のアイドルなのね」

「構わないさ」

「私はあなたのことを全然知らない」

「うん、それでいい。

……でもいつか、少しでも理解してくれる日が来たら嬉しい」

儚げな表情でそんなことを言い出す彼の横顔を、私は首をかしげて見ていた。

それからお互いについて、いろいろ話をした。

「どうしてアイドルになろうと思ったの?」

「はじめは姉さんがアイドル好きで、その影響で自分もハマったんだ」

「ふぅん」

「ずっとアイドルを見ていく中でさ、いつしかこんなに人を笑顔にできる仕事があるんだって、なんか感動してきちゃって。すげぇーって思って」

「そう」

すごく楽しそうに語る彼を見ていたら、自然と口角が上がっている自分に気づく。