あの日ふたりは夢を描いた

「こんなところにいるのがばれたら本当にさぼりになっちゃうよ……」

「人間、たまには息抜きが必要さ」

悪びれる様子もなく、清々しくそんなことを口にしていた。

「デビュー前のアイドルなのにこの状況が誰かにばれたらどうするの?」

この状況とは、私と二人でいることの他に授業をさぼっているという二つの状況のことである。

「人間がいつか死ぬことに比べたら大したことないさ」

彼は私の方を振り向いてそれだけ言い、また太陽を浴びながら微笑んでいた。

「そんな大それたいつかの話じゃなくて、今の話をしてるのに……」

小声でぶつぶつとそんなことを呟くと、彼はまたこっちを向いて静かに笑った。