あの日ふたりは夢を描いた

そんな話をしていると私たちはお墓に到着していた。

軽くお墓の掃除を済ませ、買ってきたお花とお供え物を添える。ライターで火をつけたお線香をあげた。

二人でしゃがんで手を合わせる。


(相馬くん、今日は卒業式だったんだよ。

それから報告があってね、私夢を叶えたんだ。まだまだこれからだけど、ファン一号だと言ってくれたあなたに読んでほしかったな。

……全部、あなたのおかげなんだよ。

そうだ、私はあなたのことを知っている。一つだけね。

あなたが正真正銘のアイドルだってことを)

長めの合掌を終わらせそっと目を開けた。となりにいる吉浜くんと目が合う。

「行こうか」

吉浜くんがそう言った。

「そうだね」

私たちはゆっくり立ち上がる。お供物をビニール袋に入れ帰り支度をした。

お墓を出て途中までまた一緒に歩く。分かれ道まで来て私が吉浜くんに声をかけた。

「じゃあ、私こっちだから」

「うん。気をつけて」

「吉浜くんもね」

「あぁ。それじゃあ」