あの日ふたりは夢を描いた

「そういえば、並木は進学しないんだよな?」

「あ、うん。私は今のアルバイト先で働きながら本を書き続けようと思って」

「すごいなぁ並木は。高校生にして小説家だもんな」

「やめてよ、まだぜんぜんだよ。一作出して駄目になる作家さんだって大勢いるし。書き続けないと意味がないよ」

去年の夏、コンテストに応募し最終選考まで残った作品が一つだけあった。

結果としては受賞にならなかったが、メッセージ性の強い作品だったので多くの人に読んでもらいたいと小説サイトに載せた。

みるみるうちに読者数が増え、上位のランキングに乗るようなった。

そしてその数ヶ月後、書籍化打診のメールが編集部から届いたのだ。