あの日ふたりは夢を描いた

「入学して少し経った頃、理央と一緒にここを歩いてるときに言われたんだ。そのときは桜が散ったあとだったけど」

吉浜くんがなにかを思い出したように話し始めた。

「言われたってなにを?」

「俺と並木は同じクラスだっただろ、一年のとき。まあ結果としては三年間同じクラスだったけど」

「ああ、うん」

「それで『尚のクラスにいる並木真白はどんな人?』って理央に聞かれて」

「えぇ?初耳だよ。ぜんぜん知らない」

「俺が並木のイメージを淡々と答えたあと、『彼女、俺の初恋の人。現在進行形で』って理央が」

「……えっ?初恋!?」

思わず声が裏返ってしまう。

「堂々と言われた。照れる様子も全くなく満面の笑みで」

「『連絡先教えようか』って言ったんだけど、『今はこのままでいい』ってそのときは」

「……へぇ」

「病気がわかってから、気持ちが少しずつ変わっていったんだろうな」

「……そうなのかな」