あの日ふたりは夢を描いた

「……ごめん、気づくのが遅くなって」

私はノートを胸に抱きしめて声を上げて泣いた。

「だけど、これでよかったんだよね。相馬くん……」

もうこの世にはいない彼の名前を呟く。

私がこのメッセージに早く気づいていたら、彼の心の底をちゃんと理解することができただろうか。

問い詰めて、彼にこのメッセージの真意を聞き出すことができただろうか。

いや、そんなことをしたところで彼は上手くはぐらかして決して本当のことを言わなかっただろう。

知らなくていい、最後まで。

このラストでよかったんだ。

……わからない、本当のことは。

強がって書いたのかもしれない。

だけど今はまだ、このノートに託された思いを信じてみることにした。

私はその日ある場所に来ていた。門の前のインターフォンを押す。

久しぶりに聞く声に少し緊張し背筋が伸びた。