あの日ふたりは夢を描いた

私はあなたのことを知らなかった。

だけど想像することならいくらだってできる。

彼と過ごした中で、彼が私にくれた言葉一つひとつが今になって強く響いていた。

彼の家で見た大量の薬袋。
もっと疑ってたら本当のことを話してくれた?

線香花火。もしあなたがあのゲームに負けていたら、私にどんな秘密を話してくれた?

……人間はそんなに強いだろうか。

もし自分が不治の病になったとしたら、自分の命が長くないと知ったら、大切な人と一秒でも長く過ごすことを願うと思う。

そばにいてほしいと願うと思う。

全部を一人で抱え込むなんて、どれほど怖くてどれほど苦しかっただろう。

それなのに悲しい顔一つしないなんて……