あの日ふたりは夢を描いた

「そういう並木は?」

話をふられて我にかえる。

「あぁ、私は馬鹿にされちゃうかもしれないけど、できるところまで夢を追いかけてみようと思って」

「小説家?」

以前、信頼している真柄くんだから話したことがあった。小説を書いてること。

「うん。もし駄目だとしても、夢を追いかけた時間って無駄にならない。

……って、誰かさんが言ってたから」

おどけてそんなふうに言ってみる。真柄くんも笑っていた。

「言いそうだな。俺は正直夢とかまだないから、そんなふうに打ち込めるものがあることが羨ましい」

「真柄くんは器用な人だから、これからなににだってなれるよ」

「そうだといいけど」

そんな話をしていると駅に着いていた。

「じゃあ、また学校でな」

「うん。受験勉強頑張ってね」

改札を通って、お互い反対のホームに行くため別れた。