あの日ふたりは夢を描いた

美術部のしずかちゃんは上手に油絵を描く。
それを極めるために、油絵を専門的に学べる美大に進学希望だった。

コンクールで入賞した絵を展覧会に見に行ったときの衝撃は今でも忘れられない。

絶対に絵を描き続けてほしい、そう強く思った。

だからこの報告は自分のことのように嬉しくて、自然と笑顔がこぼれる。

「真白も諦めないで頑張るんだよ。必ず小説家になってね!」

「しずかちゃんがいつも背中を押してくれるから頑張れるよ。ありがとうね」

私の将来はまだまだ見通しが持てなくて、ときどき不安で押しつぶされそうになる。

ただ今できることを少しずつ進めていくしかなかった。

そんな日の放課後、真っ直ぐ家に帰るため、学校から出て駅までの道を一人で歩いていた。