あの日ふたりは夢を描いた

「……あなたは?アイドルになるの?」

私が彼に対して知っている情報がこれだけだった。

「うん。僕はアイドルになるよ」

どこか遠くの方を見つめながら真っ直ぐそう宣言する彼の背中を見ていた。

「……ぴったりな職業だね」

「えっ?あぁ、きみの口からそんな言葉が出るなんて予想外だな」

「偉そうにごめん」

「いや、そう言ってくれてすごく嬉しい」

上手い返し方がわからず残っているおかずを口に運んだ。