彼が亡くなったのは、それからわずか五日後のことだった。

ちょうど冬休みに入る前日の朝、担任が神妙な面持ちで教室に入ってきたかと思うと、「相馬理央が亡くなった」そう告げた。

「相馬はみんなには話していなかったが、病気を患っていたんだ」

そう話す先生の目にも涙が浮かんでいた。そのあとに通夜の日程や場所も伝えられた。

悲しみはすぐには襲ってこなかった。

理解できなかったから。この世に彼が本当にいないとはまだ思えなかったから。