あの日ふたりは夢を描いた

屋上に来る前に、校内の販売機で買ったジュースをなんてことない顔して飲んでみたけど、心底落ち着かない。

居ても立っても居られず、よくないとは思いながらも彼女と真柄を追いかけて屋上の扉をそっと開けた。

一階下の階段の踊り場で二人は話しているようだった。

僕は屋上の扉にそっと寄り掛かり聞き耳を立てた。

『……ねぇ並木』

『俺は並木のことが好きだよ。すげぇ好き』

『だけど並木は俺のことは見てないよな?』

真柄の声が聞こえた。

『……大切に思ってる人がいるんだ』

『それは相馬のこと?』

『……うん。彼になにかを求めてるわけじゃない。だけど今は、そばにいられる時間を大切にしたい』

健気な彼女に胸が張り裂けそうになる。
いろいろ我慢してくれているのに、なにもしてあげられない。