あの日ふたりは夢を描いた

「……真柄くん」

「並木、ちょっと今話せる?」

あの日の放課後、教室で話したっきりちゃんと話ができていなかった。

「……あ、うん」

相馬くんをチラッと見ると、いつ買ってきたのだろう、紙パックに入ったジュースのストローに口をつけていた。

「……ちょっと行ってくるね」

それだけ言い残し、相馬くんのそばを離れた。

屋上の階段を降り、静まり返った階段の踊り場のところで足を止めた。

「真柄くん、この前はって言ってもだいぶ前になっちゃうんだけど、話の途中に帰っちゃってごめんなさい」

「いいんだ。並木には並木の事情があったんだろうし。ただ気持ち、ちゃんと聞けてなかったから」