あの日ふたりは夢を描いた

体育座りをしている膝に両腕を置いて、うつむいて顔を隠すようにすると、頭にふわっと大きな手が乗せられた。

「……あんまり可愛いこと言わないでくれ。僕はきみになにもしてあげられない」

「いいよ、わかってるから」

きみはデビュー前のアイドルで、スキャンダルなんて起こせない。

大丈夫だよ、なにも望んでない。私は充分幸せだから。

二人でそうやって話をしていると、屋上の扉が開く音がした。

二人でその方向を見ると、そこには真柄くんが立っていた。