あの日ふたりは夢を描いた

「初めてだったんだ」

自然と自分の思いが口から出ていた。

「ん?」

「なにかを任されるって。プレッシャーで押しつぶされそうだったけど、やってよかった」

相馬くんはふっと優しく微笑んだ。

「きみならできるって、最初からわかってたよ。だから脚本係をみんなに薦めたんだ。きみの魅力を知ってもらうチャンスだと思って」

「全部全部、相馬くんが後押ししてくれたおかげだよ」

「僕はなにもしてないさ。全部きみの力だよ」

彼は至って爽やかにそんなことを言い、秋の風に吹かれていた。