あの日ふたりは夢を描いた

夕陽で顔をオレンジ色に染めながら、彼は満点の笑顔を向けた。

「……まぶしい」

「ん?」

「あなたのその笑顔、私にはまぶしすぎる」

「それはそれは、アイドルとして光栄です」

彼はおどけて王子様みたいなお辞儀をした。

「ありがとうね、相馬くん」

私が言いたいことが全部わかったように、
「全部きみの力さ」それだけ言った。

「明日、楽しもうな」

「うん。よろしくね」

「人生は一瞬一瞬を全力で楽しんだもん勝ちだ」

「なにそれ?誰の名言よ」

いつもそんなに深い話はしないけれど、こうやって向かい合って笑っている時間が、最高に幸せだった。

「帰ろうか」

「うん、帰ろう」

二人で教室をあとにした。