あの日ふたりは夢を描いた

私が書いた脚本を受け入れてみんながここまで頑張ってくれた。

クラスのみんなが、脚本の中の登場人物が、愛おしくてたまらない。

段ボール箱に入った衣装を見ながらそう思った。


「帰らないの?」

いつの間にかドアには相馬くんが立っていた。

「もう帰るよ」

床に置かれていたリュックを持ち上げ肩に背負った。

「今日、ちゃんと話せてたじゃん。みんなの前で」

体育館でのことだとすぐにわかった。

「あぁ、うん。言いたいことが全部言えたわけじゃないけど。みんなが頑張ってくれたから私も頑張らないと、と思って」

「すごいじゃん」

「すごくないよ」

「きみの脚本をみんな気に入ってる。みんな楽しみながら準備してた」

「嬉しいよ。私、本当に嬉しい」

「きみの魅力に、みんなが気づき始めた」