あの日ふたりは夢を描いた

……あぁ、とてもいい。

思わず静かに拍手をしていた。

いつの間にか私のとなりに来ていた担任も、うなずきながら満足そうな表情をしていた。

再び幕が上がりみんなが舞台の上に集まっていた。

「脚本係の並木さん、どうでした?」

旅の途中で出てくる悪者役の田代くんが私に話を振る。


「えっ」

話を振られ私の心拍数は一気に跳ね上がった。

「……えっと、……あっ、あの」

だけど伝えたい。みんなに素晴らしかったと伝えたい。

「……本当に、本当に素晴らしかったです。なにも指摘するところがありません」

ステージ上から静かな視線を感じる。頭の中が真っ白になりそうだけど、なんとか気持ちを落ち着かせる。