あの日ふたりは夢を描いた

文化祭委員の田代くんと平井さんが前に出て脚本に書かれた役割を黒板に書き写し、挙手制で次々に決めていってくれた。

物語の中核を担う少年役はプレッシャーが大きいのか、なかなか手を挙げる人がいなかったが、しばらくして『じゃあ俺がやります』と真柄くんが手を挙げてくれた。

「……真柄くん」

正直、私も少年役は真柄くんがいいんじゃないかなと思っていた。

少し離れた斜め前方の席に座る真柄くんの背中を見ながら、『ありがとう』と心の中で呟く。

それからも順調に役割が振られていき、時間内に大体のことが決まった。

相馬くんと吉浜くんは仲良く魔法使いの役に立候補していた。

「それじゃあ空いた時間を使いながら協力して劇の練習を進めていくように」

担任がまた他人事のようにそう言い、LHRの時間が終わった。