あの日ふたりは夢を描いた

「……いいじゃん」

ひと言それだけ呟いた。

「えっ……それだけ?」

「すごくいい。きみは本当にすごいよ。普通の高校生でこのレベルの脚本は書けないよ」

「……そんなに褒めちぎってもなにも出ないよ」

そう言いつつ素直に喜んでいる私。

「劇の出来上がりが楽しみだな」

「……うん」

自分が書いた脚本に従ってみんなが動いていくなんて、まだ信じられない。

不安も大きい。だけど今なぜだかわくわくしていた。

「ちなみに俺は、この『完璧そうに見えて実は空回りばかりの魔法使い』の役やりたいな」

「相馬くんがやったら面白いかもね」

「だろ?早速立候補しよー!」

楽しそうに話す彼を見て、朝から笑顔になれた。