あの日ふたりは夢を描いた

だけど文化祭なのに真面目すぎる物語は合っていない気がしたので、魔法使いというファンタジーな要素も入れた。

ただの魔法使いだと面白味がないと思ったので、個性豊かな魔法使いにし、演じる側も楽しめるような工夫をしたつもりだ。

朝学校に到着すると、彼はすでに来ていた。

「おはよう、早いね」

リュックを下ろし机の脇のフックに引っ掛けた。

「おはよう。きみと話がしたくて早く来た」

「またそんなこと」

「脚本は順調?」

タイミングよくそれを聞いてくれた。

「ちょうどよかった。一通り書き終えたから見てほしくて」

リュックからファイルに入った脚本を取り出し隣の席の彼に手渡す。

「……どうかな?急足で書いたから細かい部分はこれから修正するつもりなんだけど」

彼は集中して真面目に私の書き上げた脚本を読んでいる。