あの日ふたりは夢を描いた

聞かれたことを正直に話したら、大切なクラスメイトである真柄くんを傷つけてしまいそうで怖かったから。

せっかく仲良くなれたクラスメイトだから。

発する言葉を考えていると、廊下から大きめの話し声が聞こえてハッとする。

「……こういうところであまり一緒にいない方がいいよ」

「どうして?」

「私と一緒にいると、真柄くんが勘違いされるから」

いつもより早めの口調でそう答える。

「勘違いされたって構わない。むしろ大歓迎だよ」

「……真柄くん」

「並木が泣いてると抱きしめたくなる。その涙を拭いてあげたくなる。そばにいたいと思う。

それって迷惑かな?」

真っ直ぐな瞳から溢れ出る優しさを感じて胸が痛くなる。

だけど近づく話し声に焦る気持ちが勝ってしまい、かける言葉が見つからなかった。