あの日ふたりは夢を描いた

「……会いたい」

そう小さく呟いたとき、前の椅子がガタッと引かれる音がしてびくりとする。

「誰に会いたいの?」

私に投げかけられたこの優しい声は真柄くんだ。

ゆっくり顔を上げると、私の涙を見て驚いていた。まさか泣いていると思わなかったのだろう。

「どうした?なにかあった?」

焦ったようにそう問いかけている。

「……真柄くん」

「今度はなんで泣いてるの?」 

そうだ、真柄くんに涙を見せるのはもう二回目だったな。