あの日ふたりは夢を描いた

私があまりに表情をなくしていたせいか、「ごめん、オレンジジュース好きじゃなかった?」と彼が心配そうにこちらを見ていた。

「……あ、ううん。そうじゃないよ」

「そう、よかった」

聞いていいものなのか、心がモヤモヤしたまま時間が過ぎる。

だけどもし彼になにかがあるのなら、私にもできることがあるかもしれない。

そんな気持ちも芽生えて、気づいたら彼に問いかけていた。

「ねえ相馬くん」

「……ん?」

「全然見るつもりはなかったんだけど、さっき目に入っちゃって」

「なに?」

「あそこにあるリュックの中に薬がたくさん入ってたけど、大丈夫なの?」

一瞬彼の顔が曇ったように感じたけれど、そのあとはふふっといつもみたいに笑った。