あの日ふたりは夢を描いた

「……なにこれ?」

お薬手帳とともに大量の薬袋が目に入ったから。

考えるよりも先に手が伸びていた。

だけど階段を上がってくる彼の足音が聞こえ、その手を引っ込める。

心が落ち着かないまま本棚に視線を移した。


「お待たせ」

彼が手に持っていたお盆にはガラスのコップが二つ乗っていて、オレンジジュースが注がれていた。

「……ううん」

「本見てたの?」

「……あぁ、うん」

「漫画ばっかりできみが読むような本はなかったでしょ」

彼はそう言いながら中央にあるテーブルの上にお盆を置き、二つのコップを少し離して置いた。

私は心臓のドキドキが収まらず、落ち着かせるために静かに深呼吸をした。

またカーペットに腰を下ろし、「……いただきます」と言ってコップに口をつけた。