あの日ふたりは夢を描いた

「この前真柄くんに言われたんだ。表情が明るくなったって。なんでかなぁって考えたとき、一番に思い浮かんだのがあなただった」

急にじんわりと温かい体温に包まれた。背中に回された彼の腕が、優しく私を抱きしめていた。

雨で冷えていたからかな、その温もりが心地よくて、この時間がいつまでも続いたらいいと、そんな欲まで出てきてしまった。

「きみから離れたくない。ずっと一緒に生きていきたい」

そう言った彼の声が震えているように感じたのは気のせいだろうか……


「どうした?」

そう聞いてもなにも答えない彼の背中を、ただ優しく撫でていた。