あの日ふたりは夢を描いた

「……おじゃまします」

「今日誰もいないんだ。母さんは友達と食事に行ってて、姉ちゃんは大学の部活で遅くなるし、父さんも仕事で帰るの九時頃だから」

「……勝手にお家に入っちゃって大丈夫かなぁ」

「心配いらないよ。あっちょっと待ってて、今タオル持ってくるから」

彼がタオルを持って来るまでの間、そわそわと落ちつきがなくあっちこっちに目が動いた。

「はい、どうぞ」

「あっありがとう」

大きめのタオルを受け取り、全身びしょ濡れの体をぽんぽんと拭いた。

「そこのドア開けたすぐのところに俺の着替え置いといたから、そこで着替えな」

「えっあぁ、ありがとう。そうするね」

彼が指差したドアを開けると、洗濯機や洗面所などがあり、お風呂に続くスペースがあった。