あの日ふたりは夢を描いた

「僕とのことをなにか言われたなら、気にしなくていい」

「……気にしないなんてことできないよ」

他人事みたいに言うんだから……

「とりあえず行こう。そのままだと風邪引くよ」

手を引かれ歩き始めたが、目的地が不明だった。

「……ねぇ、どこに行くの?」

「僕の家、ここから近いんだ」

驚きのあまり言葉を失った。

「そんなびしょ濡れじゃ、電車も乗れないだろ?帰るに帰れないじゃないか」

「だからって……」

彼は私の意見には耳を貸さず、少し強めに私の手首を掴んで歩いていた。