あの日ふたりは夢を描いた

「傘がないんだったら、学校で止むの待てばいいだろ。図書室だってあるし」

「……そんな気分じゃなかったの」

「どうして?」

「……どうしてって」

ちらっと後ろの校舎に目を向ける。誰かがこの光景を見ているんじゃないかと不安が襲ってきた。

「学校でなにかあった?」

「……ちょっと相馬くん、離れて」

そう言って彼の肩あたりを押したが、その手を傘を持っていない方の手で掴まれた。

「なんでそんなこと言うの?」

「私と一緒にいない方がいいよ……」

そう言った声は震えていて、今にも泣きだしそうだった。

本当はあんなふうに言われて傷ついていた。