あの日ふたりは夢を描いた

私はただ黙ってその時間が過ぎるのを待った。

「俺はだいぶ前からそう思ってるけど」

その言葉が付け加えられた後、ゆっくりと身体が引き離された。

「ごめん、泣いてるの見てたら抱きしめたくなった」

「……真柄くん」

「だけど今言った言葉は嘘じゃない。それだけはわかって。並木は今のままで大丈夫だよ」

彼の真っ直ぐなまなざしが、ひねくれた私の心を少しだけ癒していった。