午前の授業が終わり、騒がしくなった教室。
「咲空、昼メシ買いに行こうぜ。」
礼央が財布を、片手に歩いてくる。
「ああ。」
愛姫が、教室から出て行くのを横目に見ながら、売店に向かう準備をする。
...やっば、可愛いんだけど。
愛姫の姿を見ると自然と、口元が緩んでしまう。
愛姫は俺と婚約してくれたから、結婚できることが確定した。愛姫に俺への好きって気持ちは微塵もないと思う。...でも、少しずつ愛を育んでいこうと思う。
「今日、どうする？」
礼央が、ワクワクと光り輝いた目で聞いてくる。
礼央曰く俺が選ぶ物はハズレがないと言う。
食べ物に関しても、ゲームや本、漫画まで。
だからか、礼央は俺と同じものを買うことが多かった。
廊下を歩きながら、売店のパンを思い浮かべる。いつも残ってるパンってなんだっけ...。
視線の端では、顔を赤らめた女子がこっちを見ているのを感じる。
こう言う視線はあまり好きじゃない...。
知らないふりをして、礼央に答えた。
「俺コロッケ焼きそばハンバーグパンってやつとカレーパン。」
「コロッケ焼きそばハンバーグって新発売の？
勇者だなー、お前。」
「絶対美味いだろ、あの組み合わせ。
あれだけは絶対に残ってるし、売店のおばちゃんも喜んでくれるだろ。」
「ま、それもそっかー」
売店に着くと、まだ色々残っていた。
俺は予定通りのパンに期間限定の三種のチーズ牛丼パンを手に取り、会計をする。
帰る直前、視界の端に"とびきり甘い！"と書かれた、パンが目に入った。
愛姫が好きそうだな...買ってこ。
もう一度会計をしてから、礼央と教室に戻った。
教室に着くと、大樹が星川優雨先輩と入口辺りで話していた。
「ああ咲空、ちょうどいい所に。」
「どうしたんですか。」
優雨先輩に引き止められて、足を止める。
「今日の部活、俺咲良と帰る約束してるから倉庫の片付け、代わって！」
先輩はサッカー部の部長だから、倉庫の片付けをして鍵をかける仕事がある。
そして、咲良と先輩は付き合っていて、よく一緒に帰ってるのを見かける。
「はあ、...別にいいですけど。」
「マジ！サンキュー！この借りはゼッタイ返すから！！」
そう言い残して、先輩は廊下を走って行った。
教室の中では、大樹と礼央が机をくっつけて、いわゆる、恋バナをしていた。
アホらしいなとは思うけど俺も例外ではない。
俺も使ってない机を持ってきて、パンの袋を開ける。
「大樹はほんとに笹井が好きだよなー。」
「はっ、はあ？！ち、違えよ！！」
大樹、必死で反論してるけど、相手にしたら弁解不可能だ。
「またまたあ」
礼央だって、彼女の前でデレデレになってるくせに。あんまり有名じゃないけどな。
「そう言う、礼央も彼女大好きじゃん。
パンにかぶりつきながら、大樹をフォローするつもりで、わざとつぶやく。
「へっ？！」
自分に話を振られると思って無かったのか間抜けな声を出して、一瞬で顔を真っ赤にする。
「そうそう、莉理〜って甘ったるい声で言ってるじゃん！」
大樹も調子に乗って礼央をからかう。
「ぢがゔ...」
真っ赤な顔で言われても説得力が無い。
「咲空も、水野にデレデレだったりして...。」
「はあ？！」
まて大樹、俺、フォローしたよな！？
黙っているのが一番だって思ってても、声を上げてしまった。
少しでも動揺したら、それを肯定しているのと同じだ。
「あるんだあ。」
礼央がニヤニヤしながら、からかってくる。
「ゔゔゔ」
「ウブですなぁ。」
礼央の顔は、猫みたいに目を細めて、口角が異常なほどに上がっている。
その昼休み中、ターゲットが一気に変わり、永遠にからかってきたのだった。
「咲空、昼メシ買いに行こうぜ。」
礼央が財布を、片手に歩いてくる。
「ああ。」
愛姫が、教室から出て行くのを横目に見ながら、売店に向かう準備をする。
...やっば、可愛いんだけど。
愛姫の姿を見ると自然と、口元が緩んでしまう。
愛姫は俺と婚約してくれたから、結婚できることが確定した。愛姫に俺への好きって気持ちは微塵もないと思う。...でも、少しずつ愛を育んでいこうと思う。
「今日、どうする？」
礼央が、ワクワクと光り輝いた目で聞いてくる。
礼央曰く俺が選ぶ物はハズレがないと言う。
食べ物に関しても、ゲームや本、漫画まで。
だからか、礼央は俺と同じものを買うことが多かった。
廊下を歩きながら、売店のパンを思い浮かべる。いつも残ってるパンってなんだっけ...。
視線の端では、顔を赤らめた女子がこっちを見ているのを感じる。
こう言う視線はあまり好きじゃない...。
知らないふりをして、礼央に答えた。
「俺コロッケ焼きそばハンバーグパンってやつとカレーパン。」
「コロッケ焼きそばハンバーグって新発売の？
勇者だなー、お前。」
「絶対美味いだろ、あの組み合わせ。
あれだけは絶対に残ってるし、売店のおばちゃんも喜んでくれるだろ。」
「ま、それもそっかー」
売店に着くと、まだ色々残っていた。
俺は予定通りのパンに期間限定の三種のチーズ牛丼パンを手に取り、会計をする。
帰る直前、視界の端に"とびきり甘い！"と書かれた、パンが目に入った。
愛姫が好きそうだな...買ってこ。
もう一度会計をしてから、礼央と教室に戻った。
教室に着くと、大樹が星川優雨先輩と入口辺りで話していた。
「ああ咲空、ちょうどいい所に。」
「どうしたんですか。」
優雨先輩に引き止められて、足を止める。
「今日の部活、俺咲良と帰る約束してるから倉庫の片付け、代わって！」
先輩はサッカー部の部長だから、倉庫の片付けをして鍵をかける仕事がある。
そして、咲良と先輩は付き合っていて、よく一緒に帰ってるのを見かける。
「はあ、...別にいいですけど。」
「マジ！サンキュー！この借りはゼッタイ返すから！！」
そう言い残して、先輩は廊下を走って行った。
教室の中では、大樹と礼央が机をくっつけて、いわゆる、恋バナをしていた。
アホらしいなとは思うけど俺も例外ではない。
俺も使ってない机を持ってきて、パンの袋を開ける。
「大樹はほんとに笹井が好きだよなー。」
「はっ、はあ？！ち、違えよ！！」
大樹、必死で反論してるけど、相手にしたら弁解不可能だ。
「またまたあ」
礼央だって、彼女の前でデレデレになってるくせに。あんまり有名じゃないけどな。
「そう言う、礼央も彼女大好きじゃん。
パンにかぶりつきながら、大樹をフォローするつもりで、わざとつぶやく。
「へっ？！」
自分に話を振られると思って無かったのか間抜けな声を出して、一瞬で顔を真っ赤にする。
「そうそう、莉理〜って甘ったるい声で言ってるじゃん！」
大樹も調子に乗って礼央をからかう。
「ぢがゔ...」
真っ赤な顔で言われても説得力が無い。
「咲空も、水野にデレデレだったりして...。」
「はあ？！」
まて大樹、俺、フォローしたよな！？
黙っているのが一番だって思ってても、声を上げてしまった。
少しでも動揺したら、それを肯定しているのと同じだ。
「あるんだあ。」
礼央がニヤニヤしながら、からかってくる。
「ゔゔゔ」
「ウブですなぁ。」
礼央の顔は、猫みたいに目を細めて、口角が異常なほどに上がっている。
その昼休み中、ターゲットが一気に変わり、永遠にからかってきたのだった。
